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Posted April 5, 2018

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最初の登壇者である高橋さきのさんのテーマは「頭突き体当たりの翻訳史」。日本の翻訳史の中でも大きな変化が生じた「江戸から明治」「1980年代から現在まで」という2つの時期を取り上げ、各時代の翻訳者がどのような工夫や努力を重ねてきたか、また翻訳者を取り巻く状況はどのように変わってきたかを振り返る内容だ。

まずは、江戸から明治にかけて。この時期には、日本列島ではさまざまな言葉が使われていたそうだ。話し言葉には「お国言葉」がたくさんあり、住んでいる地方が違う人とは会話が通じにくかった。また、書き言葉にも漢文、訓読文、擬古文などがあった。さらに外国語というところでは 、もともと漢字文化圏であったところに、オランダ語、さらには英語などの欧州言語が入ってきたわけだ。

「当時は、言語の異種混交状態でした。このように言語と言語がぶつかり合う現場で、いろいろな工夫がなされ ジープラングラー シートカバー ダティ[ Dotty COX ]シート・カバー 車 車用品 カー用品 内装パーツ カーシート 釣り ペット 防水、現代の日本語につながっています」

句読点をめぐる先人たちの工夫

この時期、日本語の文体、中でも句読点やパンクチュエーションについて、先人たちが凝らしてきた工夫は興味深い。例えば、松尾芭蕉の弟子である各務支考が記した1718(享保3)年の俳文集『本朝文鑑』では、「○」と「。」の2種類を句点、読点として使っている。一方、1774(安永3)年に前野良沢、杉田玄白らがオランダ語から漢文に翻訳した医学書『解体新書』では、「○」の一種類のみを使用。1798(寛政10)年に刊行された森島中良による辞書『類聚紅毛語訳』では、句読点として「。」を採用しているほか、括弧を使うという新たな試みも見られる。

こうした句読点の使い方は、当時は定着することがなかった。明治に入って金属活字が普及すると、それまでの木版のように柔軟に文字を配置することが難しくなったことで、句読点の重要性が高まったという。そして明治30年代になり、現在の句読点の形が定着した。

「この時期に、句読点の導入がスムーズにいったのは、それまでの先人たちの努力があってこそ。いわば、在来技術があったから ENDLESS ブレーキローター BASIC (1枚) リア スバル インプレッサ GC8 クーペ WRX typeR Sti Version ER708-B(最低発注単位2個以上です)、新技術を取り入れることができたんです。句読点は、私たちの先輩方がものすごく苦労して作ってきたものだといえます」

直訳・意訳という議論の登場

では、当時の訳し方、つまり語彙や表現についてはどうだったか。『解体新書』には 【プロジェクトミュー】RACING777(レーシングトリプルセブン) ミツビシ ミラージュ MIRAGE 用 CC3A, CD3A系 フロントブレーキパッド 品番:F536、以下のような記述がある。「訳に三等あり、一に曰く翻訳、二に曰く義訳 [USトヨタ 直輸入純正品] TOYOTA タコマ TRD Bajaスペシャルエディション 16インチアルミホイール 1本 (グロスブラック) JWL 刻印あり、三に曰く直訳」。例えば、オランダ語のbeenを日本語にもともとあった語彙「骨」とするようなものが「翻訳」。kraakbeen(kraakは英語のcrackと同義)の意味から「軟骨」という新たな語彙を作るのが「義訳」。一方、原語の音に合わせて漢字を当てるのが「直訳」で、「腺」を意味するklierを「機里爾(キリイル)」と表するようなものがこれに当たる。

「訳語として既にある言葉を使う、新しい意味に応じた訳語をこしらえる、音をそのまま日本語で表記するという、現在も行われている三つの手法が『解体新書』にすでに書かれているのはおもしろいですね」

ただし、ここで言及しているのは単語レベルでの翻訳についてのみ。文章レベルでの直訳、意訳という議論が出てくるのは、明治に入ってからのことなのだそうだ。

少し時代は飛び、戦後になると、国字改革が行われた結果、戦前よりもずっと分かりやすくかみ砕いた日本語が書かれるようになった。

「その後の1980年代以降、電算写植が普及した際には、金属活字によって生じていたさまざまな縛りがなくなりました。そうすると、また新たな文体が発明されるようになったわけです。私は1990年代にややこしい本を翻訳したのですが、約物の使い方から全部、発明し直すことになりました。そんなふうに、時代に応じていろんな発明を行いながら、文体を作ってきたのが翻訳の現場だと思います」

独立する80年代、パソコン通信の90年代

講演の後半では、1980年代から現在までの翻訳環境を振り返った。高橋さんが翻訳の仕事を始めたのもこのころ。当時は、語学が得意な会社員の男性で、社内で翻訳の仕事を任されていたような人が独立して翻訳者になるケースが多かったそうだ。きちんとした仕事をすれば、会社員時代以上の収入を得られたということだ。また、第二次AIブームのさなかで、機械翻訳への期待が非常に高まっていた時期でもあったという。

「現在をはるかに超える熱い期待のもとで研究が進められたものの、

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、実用的には限界があり、翻訳支援ツールのほうに関心がシフトしていきました」

この時代は、一般の翻訳市場のほかに、リタイアした高齢の技術者等による翻訳市場が存在しており、安い賃金で買いたたかれていたという。とはいえ、そうした市場は、内容も含め一般翻訳市場とは独立した存在だったそうだ。そうした状況に変化をもたらしたのが、1986年に施行された労働者派遣法だった。当初こそ、翻訳者は専門職として重宝されたものの、こうした非正規職種の賃金はおしなべて急激に下降していき、その後、一般翻訳市場と低価格翻訳市場は一体化していった。

「この時代、翻訳者は孤独でした。なぜなら、パソコン通信もSNSもまだなかったから。私も ブリヂストン POTENZA Adrenalin ポテンザ アドレナリン RE003 サマータイヤ 205/50R17 WEDS ウェッズ Leonis レオニス β GREILA グレイラ ホイールセット 4本 17インチ 17 X 6.5 +53 5穴 114.3、自分の師匠と、師匠のお友達くらいしか知り合いがいませんでした」

ところが90年代になるとメカトロニクスの時代になり、パソコンやインターネットも普及し、翻訳者の仕事環境も激変してくる。こうした変化は翻訳案件そのものにも影響を及ぼし、マニュアル翻訳やローカリゼーションといった仕事が急増した。

SOHOブームが起きたのもこの頃である。ローカリゼーション等の大幅な需要の増加に対応する形で翻訳学校が相次いで設立され、翻訳業への参入経路にも大きな変化が生じた。翻訳者たちがパソコン通信でつながり始めたのもこの時期のことだ。翻訳者同士の情報交換が活発になり、そうした交流を通じて、数々のフリーウエアやシェアウエアが生まれた。紙の辞書しかなかったのが電子化された辞書が発売され始めたのもこの頃のことで、フリーウェア・シェアウェアとして開発された辞書ブラウザは、今でも翻訳者たちに欠かせないツールであり続けている。

ウェブ検索の00年代から、低価格化する現代へ

2000年代に入ると、翻訳管理ツールとしてTM(translation memory)が普及し始める。TMは90年代に需要の拡大したローカリゼーションの現場に特化したツールで、翻訳作業を実際に行う翻訳者の事情というよりは、翻訳物の管理業務に最適化したツールであったという。高橋さんが初めて「ニュートラルな翻訳」という言葉を耳にしたのもこの頃のことで、「文脈に関わりなく文単位で使いまわしのきく訳」というのは、「人類の何千年にも及ぶ翻訳史上、初めての存在だったのではないか」と高橋さん。

なお、2000年秋にはGoogle日本語検索がサービスを開始し、ウェブ検索による調べ物が本格化した。

そして、2010年代。「悪い話ばかりで申し訳ない」と断りを入れながら高橋さんが挙げたのは、低価格化や発注経路の変化、低価格マーケットの峻別不能化、海外での低価格翻訳といったことがらだ。一方、オンラインメディア用の翻訳が増加し、電子辞書はさまざまな形態や種類のものが出ている。このほか、現代の翻訳環境にかかわるキーワードとして、クラウドビジネスや人工知能ビジネス、第三次AIブームとニューラル機械翻訳などが挙げられた。

2015年以降、「トランスクリエーション」といった言葉もよく聞かれるようになったそうだ。これは、translation(翻訳)とcreation(創造)を掛け合わせた造語。もともとは主に広告やキャッチコピーなどの分野で、単なる翻訳にとどまらず、よりクリエイティブな文章に仕上げることを意味して使われることが多いようだ。高橋さんは、「トランスクリエーション」の必要性が広告以外の分野についてまで叫ばれるのは、「ニュートラルな翻訳が広がった反動で、翻訳というのはもともとそういうものなのではないか」と問いかけた。

駆け足でたどった翻訳史だったが、先人たちが凝らしてきた「頭突き体当たり」の工夫を知り、昨今の翻訳事情を知ることは、これからの翻訳を考える上での大切な前提になることだろう。さまざまなツールが世にあふれる現代だが、「ツールは自分の手で管理して、自分が使いたいものを使いたい」という高橋さんのメッセージが印象に残った。

Profile

高橋さきの

(たかはし・さきの)

東京都出身。東京大学農学系研究科修士課程修了。以来、特許と科学系書籍の翻訳に従事。翻訳フォーラム共同主宰。共著書に『できる翻訳者になるために プロフェッショナル4人が本気で教える翻訳のレッスン』『プロが教える技術翻訳のスキル』(講談社)他、訳書に『できる研究者の論文作成メソッド 書き上げるための実践ポイント』(講談社)、

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、『猿と女とサイボーグ──自然の再発明』『犬と人が出会うとき──異種協働のポリティクス』(共に青土社)などがある。

◎高橋さきのさんのTwitterアカウント
@sakinotk

講演レポート

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